医療法人売買の法務手続は医療法人売買専門の柏崎法務事務所へ

それぞれのスキームメリットデメリット

それぞれのスキームメリットデメリット

医療法人の合併・売買をお考えになってみませんか。

[check]後継者がいない(子供が継がない)、
[check]連帯保証人から開放されたい、
[check]労務管理は苦手だ、
[check]頻繁な制度改革で先行き不安、建替え・設備投資の資金負担が重い等、
医療・介護の経営者の悩みを解決する手段として医療法人の売買をお勧めします。

医療法人の売買には、
①出資(持分)の譲渡 ②合併 ③事業譲渡 ④法人格の売買
という方法があります。

例をとってお話すると、

Aさん「そろそろ僕も年をとったし、診療所のことは娘B子に任せよう」

B子さん「お父さん、私都会の大学病院で働きたいの。悪いけど、ここの病院は継げない。」

Aさん「跡継ぎがいないとなると、この病院はもうやっていけない…廃院にしたら、病院に来てくれていた患者さんも困るし、従業員の失業も心配だ…困ったな。」

B子さん「廃院にするより、医療法人の売買を考えてみたら?」

Aさん「医療法人を売るのか??」

B子さん「新しい経営者さんに診療所を売って、その人に経営してもらえばいいのよ。従業員の雇用とか、患者さんのかかりつけ医の心配もなくなるわ」

Aさん「しかしうちの病院はどの方法を取ればいいのやら」

B子さん「それぞれメリット、デメリットはあるし、医療法人か個人医院かとか、病院の形態によっても違うよ」

事業譲渡持分の譲渡合併法人格の売買
対象旧法人
新法人
個人診療所
旧法人新法人
旧法人
新法人
旧法人
メリット契約内容に柔軟性がある
隠れ債務のおそれがない
手続きが簡便
(持分の買取り+理事長・役員の変更)
包括承継なので権利の取りもらしがない法人格を取得すれば銀行融資を受けやすい
デメリット手続きが煩雑持分の評価額が高額になりすぎる隠れ債務のおそれ旧法人(持分あり)の場合、持分の評価額が多額になる行政から指導がはいりやすい
使用例個人開業医がM&Aをする
規模を縮小しつつも、売り手も存続させたい
分院を譲渡する
プロ経営者に経営を任せ、自分は医療に専念したい場合
支配権を一人に集約したい(離婚等)
大手グループ法人の傘下に入る
合併後も消滅法人の勢力を維持し続けたい
民間企業の医業経営進出
法人の新規設立を待つ余裕がない
旧法人を購入したい



Qどう売れば買い手がつく??

B子さん「売り方は、書い手がつくかどうかに大きく影響するのよ。うちの診療所だって、今まで利益を上げてたからといって、売れるとは限らないんだから。」

Aさん「そうはいっても…持分の譲渡は手続きが簡単だし、いいんじゃないか?」

B子さん「その分デメリットもあるの。非営利法人の医療法人は、会社みたいに挙げた利益を配分してはならないの。その分、医療法人の中に年々利益がため込まれるでしょ。その分持分の資産価値もかなり高額に評価されることが多いの。診療所の規模によるけど、1億くらいはザラだね。」

Aさん「1億!?そんな額出して買ってくれる人いるかな?」

B子さん「難しいと思うよ。それにうちの診療所は古いから、機材の買い替えや診療所の改装も必要になるだろうし、その分の費用も考えたら、とても買い手がつくとは…」

Aさん「なら、合併はどうだ??」

B子さん「ウーン、合併は手続きが複雑で頓挫する危険がおおきいんだよね…それに、総社員(※社員とは法人の所有者のこと。従業員ではない。≒株主)の同意が必要だから、合併に反対する社員がいたら、その人には退社してもらう必要があるから。」

Aさん「退社?」

B子さん「退社ってのは、社員であることをやめること。法人に出資した社員が、出資額に応じた割合で払い戻しを受けることで、退社できるの。たとえば、設立時の出資金総額が1億、現在の純資産が8億だとするじゃない。それで、出資金1億のうち、四分の一にあたる2500万を出資したとすると、法人に対して、四分の一の持分割合を持っているでしょ。で、退社のときは現在の法人の純資産に対して、持分の割合だけ払い戻すことを請求できるの。つまり反対社員を退社させるためには、8億のうちの四分の一だから2億円払い戻す必要があるの。」

Aさん「2億!?高すぎないか??」

B子さん「そうなの。医療法人の資産額が高いほど、払い戻す持分が高額の評価を受けて、結局払い戻せない、なんてことにもなりかねない。そうなると、総社員の同意要件を満たさなくて、合併ができなくなるってことに。おまけに、包括的に権利義務が移転するから、契約のあとに隠れた債務に気が付くってトラブルもあるみたい。合併相手の法人に実は知らないとこで診療報酬の不正受給があったら、その分お金を基金に返さなきゃいけない」

Aさん「合併はかなりリスキーな方法なんだな…買い手はそんなリスクを冒したくないだろうし…」

B子さん「その点でいえば、事業譲渡契約は、売りたいもの・買いたいものについて個別に売買契約を結ぶわけだから、契約内容も自分たちでいろいろアレンジできて柔軟性があるし、隠れた債務の心配もないから」

Aさん「事業譲渡契約は個別に契約を結ぶ分、手間はかかるが、欲しいものだけ買えるというメリットがあるのか。なによりリスクのない契約を結べる安心感があるから、買い手もつきそうだ。事業譲渡契約という手段はいいかもしれない」

B子さん「手間がかかる分、買い手にとっても売り手にとってもいい契約を結べるよ」

Aさん「そういえば、法人格の売買はどうだ?デメリットがないみたいだが…」

B子さん「これはね、診療所はやめちゃって法人格って殻だけを売るの。法人設立(6か月)を待ってたら他の人にいい物件をとられちゃうから医療法人格だけ欲しい医師とか、エステサロン・有料老人ホームを経営してる企業とかには人気があるよ。」

Aさん「地域の人にとってもうちの診療所は大切だし、今の従業員の雇用も心配なんだ。診療所をやめてもらっちゃ困る…私の目的には合わないな…」

B子さん「じゃあ、事業譲渡契約で売ればいいんだよ。きっとすぐ買い手がつくよ」

よくあるQA

Q1 医療法人AB会では、理事長甲が、分院Aと分院Bを経営している。分院Bの院長乙を独立させて、甲自身は分院Aの事業に集中したい。どうしたらいいか。

医療法人AB会が所有している分院Bを、乙に買い取ってもらうという方法が考えられます。
これは、医療法人ABのうちの一部事業を売却するという形になので、事業承継がおすすめです。

Q2 若手医師乙(30代)は、勤務医であり、売りに出されている駅前の一等地のビル店舗を、ぜひ診療所にしたいと考えている。しかし、医療法人化していなければ、ビルの賃貸借契約は結べないと断られてしまった。他にも店舗の賃借人希望者はいるため、早急に医療法人化したい。どうしたらいいか。

法人格の取得には、およそ6か月かかります。
早期取得を求める場合には、医療法人の法人格の売買という手段があります。

もっとも、下記(Q4)のとおり、医療法人格の売買にはリスクが伴い、せっかく買っても行政からの認可が下りず、経営できないという事態になりかねません。

Q3 医師丙(70代)は、高齢を理由に引退を考えている。診療所は子供の丁に継いでほしいと考えているが、丁にその意思はない。廃院してしまうと、地域住民のかかりつけ医がなくなってしまうし、従業員の雇用の問題もある。どうしたらいいか。

医療法人つきの診療所を売買するという形をとる必要があります。
前述のとおり、旧法人の場合、持分の譲渡や合併、事業譲渡契約といった手段がありますが、買い手のリスクや買い手が付きやすいかどうかという観点から考えれば、事業譲渡契約が最適です。

新法人の場合には、持分が観念できないため、持分の譲渡はできません。

Q4 医師戊は、神奈川に診療所がある医療法人Aの法人格を購入し、実家のある埼玉県に医療法人を移転したい。可能だろうか。

神奈川から埼玉県に移転することも、行政の認可さえ得れば可能です。この場合、神奈川県で認可を得る必要があります。

もっとも、厚生労働省内の全国医政関係主管課長会議(H18.2.20)において、医療法人格の売買を目的とした役員の変更・定款変更・移転手続きに対して、慎重に判断する旨の指示が出ているため、法人格の売買は事実上かなり困難とおもわれます。

Q5 医療法人Aは、新たに開業を考えているが、ようやくみつけた目当ての地域ではすでにベッド数がいっぱいで新規参入が困難だという。どうしたらいいか。

ベッド数は、地域ごとに定められているため、新規参入するためには、該当地区にある医療法人格つきの診療所を購入するべきでしょう。

該当地域で既に経営していた診療所を事業承継をして開業すれば、ベッド数を引き継ぐことができます。

事業承継なら、新規開設が認められない病床過剰地域でも、事実上の新規参入が可能です。

Q6 医療法人Aは、訪問看護ステーションも経営していたが、事業を縮小したい。どうしたらいいか。 

訪問看護ステーション事業のみ、ケア事業を行っている株式会社や他の医療法人に売却することができます。この場合、事業譲渡という形での売却になります。

Q7 医療法人のほうが、個人診療所よりもM&Aには有利なのか?

医療法人のほうが、個人診療所よりもМ&Aは有利です。

個人診療所の場合、M&Aをするには、事業譲渡をするほかありません。

それに対して、医療法人の場合なら、持分(出資)の譲渡・事業譲渡・合併・法人格の売買といった手法があり、多様な選択肢の中からケース別に最適な手法を選べるという利点があります。

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